この記事を読むとわかること
- 映画と“本当の予言”の違いと共通点
- たつき諒氏が記録した夢の意味と背景
- 不安とどう向き合い、備えるべきかの視点
“2025年7月5日 午前4時18分”──ネット上に広まった漠然とした“予言”から生まれた都市伝説ホラー映画が公開されました。
しかし、その背後にはフィリピン海の地震や津波、隕石衝突など、原作となった“本当の予言”も存在します。
この記事では、映画版と夢日記や漫画に基づく“生の予言情報”を比較し、何が本物で何が作り話なのかを明らかにします。
🎬 映画『2025年7月5日 午前4時18分』が描く“何かが起きる日”とは?
映画『2025年7月5日 午前4時18分』は、SNSや都市伝説で拡散された“予言”をモチーフにした心理ホラー作品です。
何が起こるか明言しないまま、「その時刻に何かが起こるかもしれない」という不安だけが積み重なっていきます。
観客の想像力を刺激し、“何も起きないことが一番怖い”という心理を逆手に取った構成が特徴です。
ネットミームと都市伝説をベースにしたホラー描写
本作は、SNS上で「2025年7月5日に何かが起こる」「午前4時18分に地震や隕石が来る」といった投稿が増えた背景を活かし、
“予言を信じたことで不安に取り憑かれた人々”の恐怖体験を、リアルな生活風景の中に描いています。
作品の核は“予言”ではなく、“その空気に人々がどう反応するか”という人間心理にあります。
映画のラストは“不気味な訪問者”が示すもの
クライマックスでは、災害や爆発といった直接的描写はなく、謎の“訪問者”が意味深に現れる演出で幕を閉じます。
これにより、映画は「何も起きなかった」が、“何かが起きた気がする”という心理を観客に刻み込むのです。
この曖昧さこそが、映画と実際の予言の決定的な違いでもあります。
📜 “本当の予言”とは?たつき諒『私が見た未来』の記録
映画の元になったとされる“予言”は、漫画家・たつき諒氏による夢の記録『私が見た未来』に端を発します。
1999年に出版されたこの作品は、後に“東日本大震災を予知した”と話題になり、再注目されました。
そして2021年の復刻版では、“2025年7月に大災害が起きる”という新たな夢日記が加筆されました。
2021年夢日記に記された“7月2025年”津波予知
たつき氏によれば、2025年7月に大きな津波の夢を見たとされ、その発生原因は“フィリピン海での海底噴火”でした。
この予知は、「東南アジアから巨大津波が日本列島に押し寄せるイメージ」で記録されており、地震や隕石ではなく“噴火→津波”という構造が特徴です。
科学的根拠はないものの、“同様の夢を何度も見た”と本人は語っています。
7月5日午前4時18分は夢の中で目覚めた時間
この“午前4時18分”という時刻も話題になっていますが、これは災害が起きる時間ではありません。
たつき氏がその夢を見て目が覚めた時間であり、本人も“災害時刻ではない”と明確にしています。
にもかかわらず、この時間だけが切り取られて拡散されたことが、“予言のように誤解された最大の要因”といえるでしょう。
🌊 両者を比較:映画 vs 予言の核心
映画と予言の“出発点”は同じですが、その表現方法と目的はまったく異なります。
映画は恐怖を演出するエンタメ作品、予言は夢日記に基づく個人の記録という点で区別する必要があります。
どちらも“2025年7月5日”という日時を使っていますが、意味合いは全く別物です。
映画:恐怖の演出による“空気感”の共有
映画では災害が起こるかどうかの“事実”よりも、その不安に包まれる人々の心理が重視されています。
描かれているのは、SNS上で拡散される不安、家庭や社会に広がる緊張感、そして“何かが起こるはず”という空気そのもの。
つまり、物語の本質は「恐怖の伝染」であり、具体的な予知ではありません。
予言:災害可能性があるフィリピン海洋底噴火→津波
一方で、たつき諒氏の予言は、“現実的な自然災害”を想定した夢の記録です。
フィリピン海の海底噴火により津波が日本列島を襲うという構図は、東日本大震災の経験とも重なります。
災害を当てようとしているわけではなく、「もしかしたら…」と備えるためのヒントとして注目されているのが実情です。
🧠 メディアが生む“予言の拡大再生産”の構造
映画や予言そのものよりも、大きな影響を与えているのが“拡散される情報の力”です。
SNS・YouTube・ニュースメディアなどを通じて、予言は事実のように独り歩きし始めました。
その結果、実際に社会行動や経済にまで影響を及ぼす事態が起こっています。
SNSでミーム化→香港便の減便など社会的影響
2025年7月を前に、一部の旅行者の間では“7月5日は危ない”という不安が高まり、
航空券のキャンセルやホテルの予約停止、海外からの訪日控えといった動きが現れました。
とくに香港や台湾などアジア圏では、動画プラットフォームでの噂拡散が現実の減便につながったと指摘されています。
気象庁の見解:「日時特定の予知は不可能」
このような噂の広がりに対し、気象庁は「現在の科学では地震の日時特定はできない」と公式に見解を示しています。
予言のように見える情報でも、科学的な根拠を伴っていない場合は“憶測”に過ぎません。
それでも拡散のスピードは速く、信じる人が増えることで現実の行動が変わる──これが予言が持つ“社会的力”の怖さでもあるのです。
✅ 比較まとめ:“映画”は心理ホラー、“予言”は防災の警鐘
映画は恐怖体験を演出するホラー芸術
『2025年7月5日 午前4時18分』という映画は、「何かが起こるかもしれない」という曖昧な恐怖を描いた心理スリラーです。
“予言”というより“人々が信じてしまう空気”のほうが主題であり、
不安の連鎖を演出するための芸術的表現として成立しています。
予言は備えるきっかけとなる社会的な警告
一方、たつき諒氏の予言は、夢日記という個人的体験に基づきながらも、現実の災害リスクと重なる部分があるため、
防災意識を高める“社会的な警鐘”として注目されています。
予言が当たるかどうかではなく、それをきっかけに「行動を起こすか」が問われているのです。
映画と予言、両方から得られる教訓
怖がるだけで終わらせない“行動”が防災につながる
映画も予言も、受け手の反応次第で意味が変わります。
ただ恐れるのではなく、「何ができるか」を考える視点を持つことが大切です。
不安を煽るだけではなく、情報を正しく見極め、行動につなげる──
その意識こそが、私たちを“本当に守る力”になるのだと、私は感じました。
この記事のまとめ
- 映画は予言の空気感を描く心理ホラー
- 予言は夢日記を元にした個人的記録
- “午前4時18分”は夢から覚めた時間
- 映画と予言は表現も目的も全く異なる
- SNS拡散により社会行動に実害が生じた
- 気象庁は「日時の地震予知は不可能」と明言
- “不安”を煽るより“備え”が現実を守る鍵
- 映画も予言も防災のきっかけに活用すべき
- 恐怖より行動が、私たちを守る最善策
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