- 『禍禍女』の舞台“禍の村”の正体
- 撮影に使われたロケ地の具体的な場所
- 各シーンに合わせたロケーションの演出意図
- 監督が語る「空間の怖さ」の表現方法
- ファン向けロケ地巡りの注意点とマナー
静かに、しかし確実に心を蝕んでいく和風ホラー映画『禍禍女(まがまがおんな)』。
本作の恐怖は、物語だけでなく“映像の空気感”によっても生み出されています。
その中心となるのが、物語の舞台となる“禍の村”と呼ばれる不穏な集落。
本記事では、そんな『禍禍女』の撮影ロケ地について、実際に使われた場所や、モデルとなった地域の情報を深掘りしながらご紹介します。
『禍禍女』の舞台となる“禍の村”とは?
『禍禍女(まがまがおんな)』の物語は、都市部から離れた山間の集落に引っ越してきた一家が、鏡にまつわる“何か”に巻き込まれていくという展開から始まります。
その舞台となるのが、劇中で「名前を持たない村」と呼ばれる場所。
住民たちは外部との交流を避け、何かを隠しているかのように沈黙を守り続ける…。
この設定が、観客に不気味な違和感と緊張を与える大きな要素となっています。
実際のロケ地も、霧や木造家屋、狭く曲がりくねった山道などを多用することで、“閉ざされた空間”としての説得力を持たせています。
空間が持つ空気そのものが恐怖の根源といえるほど、本作では「場所」が重要な要素なのです。
撮影が行われたロケ地一覧
『禍禍女』の撮影は、日本各地の“空気感”にこだわった実在のロケ地で行われました。
ホラー的演出だけでなく、静けさ・湿気・古びた建物といった環境そのものが、物語に深みを与えています。
以下では、実際に撮影に使用された(もしくはモデルとなった)とされる場所を、印象的なシーンとともに紹介します。
1. 長野県某所|霧が出る山間の集落
主人公一家が引っ越してくる村の全景シーンは、長野県の山間部で撮影されたとされています。
霧が立ち込める朝の映像が何度も登場し、「現実と夢の境界が曖昧になる空間」として機能しています。
公開インタビューでは、監督が「撮影中、村全体が音を失ったように感じた」と語っており、自然の静寂と霧の演出が映画の核になっていることがわかります。
2. 京都府・古民家エリア|和室と鏡のシーン
物語の中心となる“鏡の間”や、和室での禍の出現シーンは、京都府内の古民家を改装して撮影されました。
天井の低さ、畳のきしみ、障子の揺れなど、“日本家屋ならではの恐怖演出”が最大限に生かされています。
また、鏡の正面にだけ異常な暗さが生まれる演出は、ロケ地の自然光を活用して撮られたもので、CGではないと話題に。
3. 山梨県・廃トンネル|過去の記憶の象徴
劇中で度々登場する「過去の記憶の断片」のビジュアルイメージとして使われたのが、山梨県に実在する廃トンネル。
誰もいないはずなのに、奥から何かが見ているような錯覚を抱かせる空間です。
スタッフによると、「自然のままの暗闇を使う」ことがコンセプトで、照明を一切使わず撮影したシーンもあったとのこと。
ロケ地選定の意図|監督インタビューより
『禍禍女』の監督・脚本を手がけた石倉悠真氏は、複数のインタビューでロケ地選定に特別なこだわりがあったと語っています。
特に意識していたのは、「見えすぎない空間」と「時間が止まったように感じる場所」。
映画の核となる“禍”という存在は、はっきりと姿を見せることなく、空気や風景に溶け込んでいる必要があったといいます。
石倉監督はこう語っています:
リアルな村や家屋なのに、何かがおかしい。そう感じさせる“ノイズのような違和感”を視覚で表現したくて、実際に歩いて「ここは空気が止まってる」と思った場所だけを使いました。
また、自然光や音のない空間を活かすため、スタッフ全員が携帯やスピーカーの使用を制限し、現場で“禍の気配”を作り出す演出方法がとられました。
こうした徹底したロケーション選びが、観客にじわじわと染み込む恐怖をもたらしているのです。
ロケ地巡りの注意点とアクセス情報
『禍禍女』のロケ地を実際に訪れたいというファンも少なくありません。
しかし、本作に使用された場所の多くは、観光地ではなく私有地や住民の生活圏です。
無断での立ち入りや撮影は禁止されている場所も多いため、十分な注意が必要です。
- 長野県某村エリア:一般住宅地域が含まれるため、徒歩移動時は静かに
- 京都の古民家ロケ地:一部施設は地域文化体験施設として公開されていることも
- 山梨の廃トンネル:立ち入り禁止区域あり。事前に自治体HPなどで確認を
また、早朝や夕方の訪問は地元住民の生活を妨げる恐れがあるため、日中の見学を基本としましょう。
ファンとして礼儀とマナーを守りながら、“禍の村”の雰囲気を安全に味わいたいですね。
まとめ:静かな恐怖を生んだ“場所”に触れる
『禍禍女』は、物語の構成や演出だけでなく、ロケ地そのものが恐怖の演出に深く関わっている作品です。
自然の音、光、静けさを極限まで活かした映像は、CGやセットでは再現できないリアリティを観客に与えてくれます。
もしロケ地巡りを検討しているなら、その場所が持つ“空気”を大切に味わいながら、映画の余韻を追体験してみてください。
静かな山村の奥、ふと鏡越しに何かが見えたら――。
『禍禍女』の世界は、すでにあなたのすぐそばに存在しているのかもしれません。
- 『禍禍女』はロケ地の“空気”が恐怖を演出
- 長野・京都・山梨で撮影されたシーンを紹介
- 鏡と静寂が映像に“禍”をもたらす仕掛け
- 監督は「見えすぎない場所」にこだわった
- ロケ地巡りはマナーを守って楽しもう



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