映画『九龍ジェネリックロマンス』ロケ地はどこ？撮影場所の聖地巡礼ガイド

香港・旺角（モンコック）で九龍城砦の雰囲気を体感

香港の繁華街・旺角（モンコック）は、映画『九龍ジェネリックロマンス』の中で、九龍城砦の雑多でカオスな雰囲気を再現した主要ロケ地の一つです。

特に夜になると、街全体がネオンに包まれ、狭い路地や入り組んだビル群が九龍城砦を彷彿とさせます。

映画の空気感に浸りながら歩ける、まさに“聖地”と呼べるスポットです。

ネオンが輝く雑多な街並み

旺角の象徴的な風景といえば、花園街（Fa Yuen Street）やネイザンロード沿いの電光看板。

これらのエリアでは、無数の商店がひしめき合い、映画で描かれた“都市の密度”や“人間の熱”が肌で感じられます。

特に夜景は映画さながらで、ローカルの露店、食品市場、ガジェット店などが連なり、視覚的にも聴覚的にも圧倒的な情報量を放っています。

MTR旺角駅から徒歩でアクセス可能

旺角は観光客にも非常にアクセスしやすく、MTR（香港地下鉄）の旺角駅を出てすぐの範囲がロケ地候補地となっています。

徒歩5〜10分圏内に聖地巡礼ポイントが多数点在しており、1〜2時間の散策で映画の雰囲気を存分に味わえるエリアです。

訪問の際は、混雑する時間帯を避けることで、より快適に映画の世界観に浸れます。

香港・鰂魚涌駅（クォリーベイ）周辺──密集高層住宅のロケ地

香港島の東部にある鰂魚涌（クォリーベイ）周辺は、映画『九龍ジェネリックロマンス』の中で、九龍城砦の内部空間を彷彿とさせる“圧迫感”と“密度”を演出するために撮影に使われたロケ地です。

特に有名なのが「モンスタービル（Monster Building）」の異名を持つ益昌大廈（Yick Cheong Building）で、訪れるだけで映画の世界にトリップしたような感覚が味わえます。

ここはその異世界的な景観から、多くの映画やMVでも使われる“撮影の聖地”として知られています。

九龍城砦内部を想起させる圧迫感

益昌大廈の中庭に足を踏み入れると、頭上を覆い尽くすような高層住宅群に囲まれ、まるで“逃げ場のない都市の迷宮”に入ったような錯覚を覚えます。

これはまさに、九龍城砦の「閉鎖空間」や「層状都市」を象徴的に表現するのに最適なロケーションです。

撮影ではこの空間にライティングとVFXを加えることで、よりディストピア的な世界観が作り出されています。

住民への配慮が必要な巡礼マナー

このエリアは観光地ではなく実際の住宅地であるため、撮影や訪問時には住民への最大限の配慮が必要です。

騒音、無断撮影、大人数での立ち入りなどは厳禁で、静かに短時間での巡礼が望まれます。

また、朝早い時間帯や平日を選ぶことで、人の少ない状態で建物の雰囲気をしっかり堪能できます。

女人街エリアと「金魚茶館」のモデル地を巡る

香港を代表するマーケットストリートである女人街（レディースマーケット）は、映画『九龍ジェネリックロマンス』の中でも印象的な“喫茶店シーン”や“市民の日常風景”のモデルとして撮影に使用された可能性が高いスポットです。

特に物語の中で登場する「金魚茶館」の舞台背景と似たロケーションが点在しており、映画と現実の世界が交差する体験ができます。

このエリアは買い物も楽しめるため、聖地巡礼と合わせて訪れたい場所です。

映画に登場する喫茶店シーンの舞台

「金魚茶館」は作中で重要なシーンの舞台として登場し、九龍城砦のような雑多さと懐かしさを併せ持った空間として描かれています。

実際にモデルとされたとされるのは、旺角〜油麻地エリアの昔ながらの茶餐廳（チャーチャンテン）。

中でも「美都餐室（Mido Café）」はその代表格で、レトロなインテリアと緑の窓ガラス、狭い席の配置が、まさに映画の雰囲気と重なります。

ショッピングやグルメも楽しめる雰囲気作り

女人街エリアでは、雑貨や衣類、スマホアクセサリーなどが露店で並び、ローカルな活気に満ちています。

この「ごちゃごちゃ感」こそが九龍城砦の持っていたエネルギーであり、映画の舞台再現にふさわしい場所と言えるでしょう。

また、食べ歩きが楽しめる屋台グルメも豊富で、巡礼ついでにローカルフード体験もできるのが魅力です。

台湾・台北と高雄で再構築された“九龍”

映画『九龍ジェネリックロマンス』の撮影は香港だけでなく、台湾の台北や高雄でも行われています。

それは、すでに取り壊されてしまった九龍城砦の空気感を再現するため、レトロで雑多な台湾の街並みが代用ロケ地として活用されたためです。

特に台湾南部の高雄は、都市設計や集合住宅の構造において、かつての九龍城に通じる景観を持つエリアが多く、注目されています。

台北・迪化街や華西街観光夜市のレトロな街並み

台北の迪化街（ディーホアジエ）は、レンガ造りの古い建物が並び、映画の中の「時代が混在する九龍」の世界観を象徴するロケ地の一つです。

さらに、夜のシーンでは華西街観光夜市が使われ、薄暗く雑多な雰囲気と赤いランタンの明かりが、物語の妖艶な一面を引き立てています。

これらのエリアは観光スポットとしても人気で、ロケ地巡りと街歩きを同時に楽しめる点も魅力です。

高雄・果貿社區“リトル香港”の密集景観

台湾南部の港町・高雄にある果貿社區（グォマオシャーチュ）は、“リトル香港”とも呼ばれる密集住宅地です。

ここでは、複数棟の高層住宅が輪のように連なり、中央に広場のような空間がある構造が、かつての九龍城砦の集合建築を連想させます。

実際に現地を訪れると、老朽化した建物、露天の配管、雑多な看板など、映画の中で描かれたディテールのリアリティを感じることができます。

セット撮影とVFXで再現された九龍城砦の世界観

映画『九龍ジェネリックロマンス』では、現存しない九龍城砦をリアルに再現するため、セット撮影とVFX（視覚効果）を駆使して、圧倒的な没入感を作り上げています。

実際のロケ地に加えて、細部までこだわり抜かれたセットとCGが融合し、“記憶の中の九龍”が生き返るような世界観が完成しました。

ここではその舞台裏について掘り下げていきます。

約70%がセット撮影＋CG補完で構成された内部空間

本作の制作陣は、実際に存在しない九龍城砦の内部をスタジオセットで構築し、その上からVFXで補完するという手法を採用しています。

とくに屋内シーンや高所からの俯瞰ショットは、セット上に照明演出や霧の演出を加えることで、リアリティと幻想のバランスを調整しています。

映画の約7割がこうしたハイブリッド方式で撮影されており、徹底したビジュアル設計が作品の魅力を高めています。

湿度・ゴミ・配管・看板…美術による細部再現のこだわり

映画美術チームは、九龍城砦特有の“生臭い生活感”を再現するため、徹底的に現地の写真資料や建築史を研究しました。

セットの中には、天井を這う電線、垂れ下がる配管、濡れた床の質感、積まれたゴミ袋など、リアリティを追求したディテールが数多く盛り込まれています。

また、香港特有の繁体字看板や古びたタイル張りの壁なども忠実に再現され、観客に「そこに住んでいる感覚」を与える演出となっています。

まとめ：九龍ジェネリックロマンス ロケ地巡礼完全ガイド

映画『九龍ジェネリックロマンス』の舞台は、香港と台湾のリアルな街並み、そして精巧なセットとCGが融合して作られた独自の都市空間です。

各ロケ地には九龍城砦の“記憶”が息づいており、訪れることで映画の世界観を体感できる貴重な場所となっています。

この記事を通じて、あなた自身の聖地巡礼ルートを計画する参考になれば幸いです。

香港では、旺角のネオン街、鰂魚涌の高層住宅、女人街の喫茶店文化が、それぞれ映画のシーンとリンクし、強い没入感を与えてくれます。

また台湾では、迪化街や果貿社區など、“もう一つの九龍”ともいえるエリアが使われ、ロケ地としての新しい可能性を示してくれます。

さらに、スタジオで構築された九龍城砦のセットとVFXの融合は、現実と虚構をつなぐ映画的魔法とも言えるでしょう。

これから訪れる方は、撮影マナーと現地の文化を尊重しながら、自分だけの“九龍体験”をぜひ楽しんでみてください。

映画の中の世界が、きっと現実の旅の中でも息づいているはずです。