この記事を読むとわかること
- 『近畿地方のある場所について』が創作である根拠
- 生駒山地や滝畑ダムがモデル地とされる理由
- 現実と錯覚させる演出技法と読者考察の背景
『近畿地方のある場所について』が実話なのか気になって検索してきたあなたへ。実話ではないのか、それともモデル地が特定されつつあるのか――その真相を徹底調査しました。
背筋氏によるモキュメンタリーホラー作品『近畿地方のある場所について』は、実話のようなリアル感で話題になりましたが、本当にあった出来事なのでしょうか?
奈良・大阪県境の生駒山や滝畑ダムがモデル候補として挙がる理由や、作者が語る創作意図、噂の元ネタまで深掘りします。
実話?それともフィクション?『近畿地方のある場所について』の真相
読者が最も気になるのは、「本当にあった話なのか?」という点でしょう。
実話なのか創作なのかという問いに対して、作者自身が明確な答えを出しています。
その答えをもとに、この作品の真相と魅力を読み解いていきましょう。
作者が明言:これは実話ではなく創作である
『近畿地方のある場所について』の作者・背筋氏は、複数のインタビューやSNSで「この話はフィクションです」と明言しています。
彼の発言によると、現実にありそうな恐怖を描くために、モデル地や実在する噂を丁寧に組み込んだとのこと。
つまり、事実ではないが、事実のように思わせる構成が意図的に作られているのです。
モキュメンタリー手法が読者に「現実感」を与える仕掛け
本作は、いわゆる“モキュメンタリー”=架空のドキュメンタリー風に物語を展開する手法を用いています。
これにより、あたかも本当にあった出来事の記録のように感じさせる演出が可能となっています。
「記録映像の発掘」「語り手の不安定な証言」「地名をぼかすリアリティ」などが、現実との境界を曖昧にしている。
その巧妙さゆえに、読者の多くが「本当にあった話なのでは?」と感じてしまうのです。
このように、『近畿地方のある場所について』は創作でありながら、現実に近い感触を与える巧みな構成が特徴です。
だからこそ、SNSや掲示板で「これって本当にあった場所なんじゃ…?」という考察が絶えないのです。
噂のモデル地はどこ?読者が考察した候補
読者の間で話題になっているのが、「物語の舞台はどこを指しているのか?」という考察です。
実在する地名や特徴的な風景が登場するため、モデル地の特定に向けた議論がネット上で活発に行われています。
その中でもとくに有力視されているのが、「生駒山地」と「滝畑ダム」の2つです。
最有力は大阪−奈良県境・生駒山地説
最も有力とされているモデル地は、大阪と奈良の県境に広がる生駒山地です。
作中には、山を越えた先に異常な空間が広がる描写や、峠道にあるトンネル、放置された集落などが登場します。
これらの描写が、生駒山系に存在する暗峠、十三峠、宝山寺奥の廃道などと酷似していることから、多くの読者がこの地域を指していると考えているのです。
さらに、生駒山地は古くから心霊スポットや都市伝説の宝庫であり、地元では「何かがいる」と語られる場所もあります。
そのような土地の持つ歴史的背景や民間信仰が、物語に深みを加えていると見る読者も多いです。
ダムと神社の描写一致で注目された滝畑ダム説
もう一つ注目を集めているのが、大阪府南部にある「滝畑ダム」周辺をモデルにしたという説です。
作中に出てくる「山奥のダム」「その脇にある神社」「水に沈んだ集落」といったキーワードが、滝畑ダムに存在する地形や史実と非常に近いのです。
また、このエリアは車両通行止めの林道や、携帯の電波が届かないエリアもあり、作品内で描かれる“閉ざされた空間”の不気味さと共通しています。
ネット掲示板や動画配信サイトでは、実際に滝畑ダムを訪れて検証する「聖地巡礼」動画も多く投稿されており、読者の中には「ここしかない」と断言する人も少なくありません。
ただし、いずれの説も公式に認められたわけではなく、読者の考察に基づくものです。
このように、実在の地名と物語が絶妙にリンクしているため、モデル地の特定に向けた興味が尽きないのです。
物語に取り込まれた元ネタ要素とは?
『近畿地方のある場所について』が“実話っぽい”と感じられる大きな理由の一つが、現実に存在する都市伝説や事件をモチーフとして取り込んでいる点にあります。
読者が無意識に聞き覚えのある噂や出来事を想起することで、リアリティが増しているのです。
ここでは、作品に登場する要素がどのような元ネタに基づいているのかを見ていきます。
心霊スポット・失踪事件・都市伝説を織り交ぜた構成
物語には、行方不明事件、異界との境目、神隠し、閉鎖された集落といったキーワードが数多く登場します。
これらは、実際に日本各地で語られてきた都市伝説の定番テーマであり、「ひとけのないトンネルで消息を絶った」「山の上で見てはいけないものを見た」などの定型が含まれています。
ネット掲示板やオカルト系のまとめサイトで語られる「山の神に連れ去られる話」「不気味な声が聞こえるダム」などが反映されていると見る声もあります。
これらを散りばめることで、作品全体に「昔から存在する場所」「本当にあった出来事」といった重みを持たせているのです。
リアルな描写の数々が「実話感」を後押し
物語中では、地元住民の証言、新聞記事の引用、映像資料の描写などが細かく挿入されています。
たとえば、登場人物の語る「以前、○○地区で似たようなことがあった」といった台詞や、事故や失踪の記録を模した演出がその典型です。
こうした情報が、実際の事件報道や体験談とよく似ているため、読者はつい「どこかで聞いた話だ」と錯覚してしまいます。
また、一人称視点で描かれる語りや、登場人物の混乱・恐怖がリアルに再現されていることも、実話っぽさを生む大きな要素です。
まるでYouTubeの体験談動画や、実際のレポート記事を読んでいるかのような感覚になるため、現実味がにじみ出てくるのです。
このように、作品は創作でありながら、現実の要素を絶妙に編み込み、フィクションと現実の境界をぼかす構造になっています。
映画化で明かされたロケ地と演出の背景
『近畿地方のある場所について』は映画化によってさらに注目を集めました。
映像化されたことで、物語の舞台が視覚的に具体化され、「モデル地はどこなのか」という関心がさらに高まったのです。
しかし、ロケ地に関してはあくまで推測の域を出ない部分も多く、その“隠し方”にも意図があるようです。
公式発表のない背後にあるロケ地推測
映画版において、ロケ地の詳細は公式から明かされていません。
これは「モデル地の断定を避ける」ことで、観る人それぞれの体験や記憶と結びつけてほしいという演出意図があるとされています。
しかしファンや考察系YouTuberの中には、映像に映る山の稜線や道路標識、神社の構造などから、生駒山地南部、滝畑周辺、和泉葛城山麓などをロケ地候補として挙げています。
一部の視聴者が特定した「鳥居の形状」や「舗装の状態」などは、実際に関西圏に存在する神社や林道に酷似しているとの声も。
ただし、映画スタッフや配給側はあくまでも沈黙を貫いており、噂の域を出ません。
撮影中に起きた不思議な現象とスタッフの証言
映画撮影時には、いくつかの“奇妙な出来事”がスタッフの間で語り継がれているようです。
たとえば、「機材トラブルが続いた」「音声が勝手に録音された」「演者が体調を崩した」など、ホラー作品にありがちな現象が立て続けに発生したという証言があります。
ある助監督はインタビューで、「ロケ地周辺では電波が途切れ、誰とも連絡が取れなくなることが何度もあった」と語っています。
こうした証言が加わることで、作品そのものに“現実との境目が薄れる感覚”が強くなっているのです。
視聴者は、映像だけでなく舞台裏の不気味さまで知ることで、より深く作品世界に入り込んでしまうのかもしれません。
近畿地方のある場所についてのモデル地はここ!まとめ
ここまで『近畿地方のある場所について』の真相やモデル地候補について詳しく見てきました。
実話ではないと明言されているにもかかわらず、多くの読者が「本当にある場所だ」と感じてしまう理由がはっきりしてきましたね。
では、モデル地の有力候補とされる場所を改めて整理し、本作の魅力を総括しましょう。
- 最有力候補:生駒山地(奈良県・大阪府境)
― 峠道、山奥の集落、トンネルの描写が一致 - 注目候補:滝畑ダム(大阪南部)
― ダムと神社、林道の存在が作品内と類似 - その他候補地:和泉葛城山麓や未特定の山間部
これらの地に共通しているのは、山深く、アクセスが難しく、人の気配が少ないことです。
そうした環境が、物語の持つ「閉ざされた異界感」や「戻ってこられない空間」の演出に非常に効果的に働いています。
また、都市伝説や心霊スポットといった要素を随所に織り交ぜることで、読者は自分の体験や記憶に照らし合わせながら、物語の“現実感”を感じ取っているのです。
「実話ではないが、現実にありそう」と思わせる構成こそが本作最大の魅力
もしこの作品に惹かれたなら、実際に紹介された土地を訪れてみるのも一つの体験になるでしょう。
ただし、立ち入りが禁止されている場所や私有地もあるため、無理のない範囲での探索を心がけてください。
『近畿地方のある場所について』は、リアリティとフィクションの境界を楽しむ作品として、多くの人の想像力を刺激し続けています。
この記事のまとめ
- 『近畿地方のある場所について』は創作作品で実話ではない
- リアルな演出とモキュメンタリー手法で現実感を演出
- 生駒山地と滝畑ダムが有力なモデル地候補
- 心霊スポットや都市伝説を巧みに取り入れた構成
- 読者が体験を重ねやすい“曖昧さ”が魅力
- 映画化によってロケ地への関心も高まる
- 撮影中の奇妙な出来事も作品の不気味さを後押し
- 「現実にありそう」と錯覚させる描写が秀逸
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