この記事を読むとわかること
- ドラマ『彼女がそれも愛と呼ぶなら』全話のネタバレあらすじ
- 登場人物それぞれの選択と心の変化
- 最終話の結末に込められた深いメッセージ
2025年春ドラマとしてスタートした『彼女がそれも愛と呼ぶなら』。
栗山千明が演じる主人公・伊麻が“3人の恋人”と生きる異色の恋愛ドラマとして注目を集めました。
本記事では、そんな本作の第1話から最終話までのあらすじをネタバレ込みでご紹介し、ラストに込められたメッセージや意味についても考察していきます。
第1話あらすじ:3人の恋人と同居する女
ドラマ『彼女がそれも愛と呼ぶなら』の第1話では、主人公・伊麻(いま)(栗山千明)の衝撃的な恋愛スタイルが明かされます。
伊麻は3人の恋人――氷雨(伊藤健太郎)、亜夫(千賀健永)、慎吾(丸山智己)――と同時に交際し、なんと同じ家で生活を共にしています。
さらに、彼女には娘・千夏もいて、4人の大人と1人の子どもという前代未聞の共同生活が描かれます。
伊麻の“正直すぎる恋愛スタイル”が明らかに
伊麻は、恋人たちに対して嘘をつくことなく、それぞれを平等に愛していると主張します。
「誰にも嘘をつかず、全員に本音で向き合うことが愛」という、いわば“ポリアモリー”な考え方を体現しています。
彼女の姿勢は一貫しており、誰か1人を選ぶ気も、順位をつけるつもりもない様子。
恋人たちの反応と、娘・千夏の複雑な心境
しかし、恋人たちはそれぞれに葛藤を抱えています。
氷雨は伊麻に好意を抱きつつも、「この関係がいつまで続くのか」と疑問を抱き始めます。
亜夫は自由を尊重する性格で、彼女との距離感を楽しんでいるように見えますが、どこかで伊麻に「選ばれたい」という気持ちも見え隠れします。
そして慎吾は、伊麻の娘・千夏とも良好な関係を築いており、家族のような役割を担っています。
一方で、千夏は母の恋愛を理解できず、周囲との違いに戸惑いを抱いています。
学校でも「お母さんは何人と付き合ってるの?」という噂が立ち、強いストレスを感じている様子が描かれました。
第1話のラストでは、氷雨が「この関係は本当に続くのか」と問い、伊麻が迷いなく「私は変わらない」と答えるシーンで幕を閉じます。
視聴者にとっては、「自由な愛とは何か?」を強く意識させられる衝撃のスタートとなりました。
第2話あらすじ:好きには順位がある?
第2話では、伊麻の恋人・亜夫(あお)が放った一言が、伊麻の恋愛哲学を大きく揺さぶります。
「好きには順位がある。俺は1番になりたい」――このセリフをきっかけに、伊麻と恋人たちの間に微妙なズレが生まれ始めます。
亜夫の発言が波紋を呼ぶ
亜夫は、それまで自由奔放に見えた一方で、伊麻の愛を独占したいという強い想いを抱えていたことが明らかになります。
「自分が一番じゃないと耐えられない」と語る彼に対し、伊麻は困惑しながらも「私の中には順位はない」ときっぱり告げます。
価値観の違いがあらわになり、2人の間に緊張感が走ります。
氷雨の嫉妬と伊麻の価値観のズレ
一方で、氷雨は徐々に伊麻への独占欲を露わにしていきます。
他の恋人と仲良くしている伊麻の姿に、つい怒りをぶつけてしまいそうになるシーンも。
しかし彼は、自分の気持ちを抑えようとするあまり、どこか無理をして伊麻に合わせているようにも見えます。
その頃、慎吾は比較的冷静な立場を保ちつつ、千夏の心のケアにも目を向けています。
「大人が複数の恋人を持つのは自由。でも、その影で子どもが孤独を感じているのでは?」と、親としての責任について伊麻に問いかける場面も登場。
第2話では、「愛に順位はあるのか?」という永遠の問いがテーマとして深く掘り下げられました。
視聴者からもSNSで「共感する」「受け入れられない」など、多くの意見が飛び交う展開となりました。
第3話あらすじ:子育てと恋愛の両立
第3話では、伊麻の家庭に“外の視点”が入り込み、これまで均衡を保っていた関係が大きく揺れ始めます。
訪れたのは、氷雨の母・鈴子(黒沢あすか)。
彼女の登場によって、この家庭の“非常識さ”を社会がどう見るかが浮き彫りになります。
氷雨の母・鈴子の登場で家庭に亀裂
鈴子は突然伊麻の家を訪ね、「氷雨に変な関係を押し付けているのでは」と問い詰めます。
彼女の目には、伊麻と3人の男たちが一つ屋根の下で生活する光景が、歪で不道徳なものにしか映りません。
伊麻は「誰も嘘をついていない。これが私たちの選んだ形」と冷静に答えますが、鈴子の言葉は周囲に波紋を広げていきます。
「こんな環境で子育てするなんて」と問われる伊麻
鈴子は特に、伊麻の娘・千夏の存在に言及し、「この環境で本当に娘が幸せなのか?」と厳しく追及します。
伊麻は「千夏には何でも話している」と答えますが、千夏自身がどこかで葛藤を抱えていることも事実です。
この一件をきっかけに、氷雨はより一層伊麻との関係に疑問を抱き始めます。
「親に紹介できない恋愛って、果たして本物なんだろうか」――そうつぶやく姿が印象的です。
第3話では、“愛の自由”と“親としての責任”という、相容れないテーマがぶつかり合いました。
「恋愛の自由に正解はない」と感じさせる、非常に考えさせられる1話でした。
第4話あらすじ:千夏の危うい恋
第4話では、物語の視点が主人公・伊麻の娘である千夏にフォーカスされ、思春期の揺れ動く感情と危うい恋が描かれます。
伊麻の恋愛を否定も肯定もできずにいる千夏が、自分自身の恋愛にのめり込んでいく姿は、視聴者に強い不安と共感を与えました。
ストーカー化する彼氏・太呂との関係
千夏は、同級生の太呂(たろ)と交際中。
最初は優しく接してくれていた太呂ですが、徐々に束縛的で支配的な態度を見せ始めます。
スマホを勝手に見る、友人との交流を妨害する、などの行為が続き、千夏は「愛されているのか、怖がられているのか」わからなくなっていきます。
母とのすれ違いと自立心の芽生え
伊麻は娘の変化に気づこうとしますが、千夏は心を閉ざし始めており、母との距離は広がる一方。
「自分の恋愛も自由なのに、なんで私には口出すの?」というセリフが印象的です。
愛とは何か、恋とは何か、自分とは何か――千夏が抱える問いは、母・伊麻にもぶつけられないほどに繊細です。
このエピソードでは、恋愛の危うさと、若さゆえの依存と孤独がリアルに描かれました。
視聴者の中には「まるで自分の過去を見ているよう」「親の立場として心が苦しくなった」という感想も多く寄せられました。
第5話あらすじ:それでも、愛と呼ぶのなら
第5話では、伊麻と3人の恋人たちの関係がついに限界を迎えます。
これまで「正直な愛」で成り立っていたはずの関係が、徐々に崩壊へと向かう様子が切実に描かれました。
それでも伊麻は、“これは愛だ”と信じて疑わない姿勢を貫きます。
伊麻が選ばなかった“普通の愛”
氷雨は伊麻にプロポーズします。
「一緒に未来を作りたい。もう誰かと分け合う愛じゃなくて、俺一人を選んでほしい」と。
しかし伊麻は、「誰かを選ぶことは、他の人を否定することになる」と答え、氷雨の申し出を断ります。
このやりとりが、2人の関係の決定的な別れとなりました。
恋人たちが下す、それぞれの選択
氷雨は伊麻のもとを去り、慎吾も「娘を第一に考えて」と諭して家を出ます。
亜夫だけが残りますが、彼もまた、「伊麻が誰にも縛られないこと」に寂しさを覚えています。
伊麻に残ったのは、“選ばなかった”という選択肢だけ。
この回では、“選ぶ愛”と“選ばない愛”の対比が強く打ち出されました。
「ひとりを愛することが誠実なのか? それとも、すべての人を平等に愛することが誠実なのか?」という、ドラマ全体の核心が問いかけられます。
最終話(第6話)ネタバレ:彼女が選んだ“愛のかたち”
最終話では、伊麻が自らの恋愛スタイルを見つめ直しながら、それでもなお“正直な愛”を貫く選択をします。
氷雨が去り、慎吾も家を出たあと、伊麻のもとには亜夫ひとりだけが残ります。
しかしその関係も、変化の兆しを見せ始めていました。
氷雨との別れと、新たな出会い
氷雨は大学院で新しい女性と出会い、一対一の恋愛を始める道を歩み始めます。
伊麻に「幸せになってほしい」と伝える姿は、彼なりに成長し、自分の答えを見つけた証でもありました。
一方、伊麻はマッチングアプリで出会った格闘家のマックスと交流を始めます。
強さと優しさを併せ持つ彼との会話は、伊麻にとって新鮮で、また新しい愛の形を感じさせるものでした。
伊麻が最後に示した「自由な愛」とは
娘・千夏は、ストーカー化していた太呂との関係を自らの意思で断ち切り、母親とは違う形で“自立”した道を歩み始めます。
絹香もまた、DV夫から離れ、想いを寄せていた針生のもとへ。
それぞれが、自分にとって「何が大切か」を選んでいく姿が描かれ、物語は終わりへと向かいます。
ラストシーンでは、伊麻が「私は私のままでいいの」と微笑み、“選ばずに選ぶ”という在り方を示す姿が印象的でした。
それは、恋愛の「普通」にとらわれず、自由と誠実を重ねた愛の完成形でもあったのです。
『彼女がそれも愛と呼ぶなら』結末の意味を考察
本作のラストで伊麻は、誰か一人を選ぶことなく、“誰も傷つけない愛”よりも、“嘘のない愛”を選びました。
これは一見、責任を放棄したようにも見えますが、彼女なりの誠実さと信念に基づいた選択であることが物語を通じて丁寧に描かれています。
なぜ伊麻は誰とも結ばれなかったのか
伊麻が一人を選ばなかった理由は、「選ぶことで、他の人を否定してしまう」からです。
愛に上下はない。順番もない。
そう語る彼女の考えは、多くの人にとって受け入れがたいかもしれません。
けれどもそれは、自分を偽らずに人を愛し続けるという覚悟でもあったのです。
“普通じゃない”愛が問いかけるもの
このドラマの真髄は、恋愛に「正解」はあるのか?という根源的な問いにあります。
結婚、一途、一対一――それらが“正しさ”として扱われがちな中で、「選ばないこと」「複数を愛すること」もまた一つの選択肢だと提示しているのです。
視聴者の中には「わがまま」「無責任」と感じた人もいれば、「自分を偽らない姿勢が格好いい」と共感した人もいます。
だからこそ、本作は“賛否両論”で終わる価値のあるドラマだったといえるでしょう。
結末に込められたメッセージは、「他人の愛の形を否定せず、自分の愛にも誠実であること」。
それこそが、伊麻が体現した“正直すぎる愛”の本質だったのです。
『彼女がそれも愛と呼ぶなら』全話ネタバレまとめ
『彼女がそれも愛と呼ぶなら』は、恋愛に“正解”を求める時代に、一石を投じる作品でした。
1人の女性と3人の恋人、そして思春期の娘という構図の中で、それぞれが自分の「愛のかたち」に向き合い続けます。
誰かと一対一で結ばれることだけが幸せではない。
- 第1話:伊麻の3人の恋人との関係が明らかに
- 第2話:“好きに順位はある”という価値観がぶつかる
- 第3話:子育てとの両立、社会との軋轢が浮き彫りに
- 第4話:娘・千夏の危うい恋と自立のきっかけ
- 第5話:伊麻が誰も選ばないという決断を下す
- 最終話:それぞれが自分の道へ進む決別と希望のラスト
最終的に伊麻は、“誰かを選ばない”という選択こそが自分らしい愛だと気づきます。
その姿は、現代の恋愛観に疑問を抱いている多くの人にとって、大きなヒントとなるのではないでしょうか。
「あなたにとっての“愛”とは何か?」
その問いを、見終わった後にも深く残してくれる作品でした。
この記事のまとめ
- 全6話のあらすじをネタバレ付きでわかりやすく解説
- 主人公・伊麻が選んだ「愛のかたち」に込められた想いを考察
- 恋人、娘、自分自身との向き合い方を描いた異色のラブストーリー
- “普通”ではない愛が持つリアルなメッセージ性を掘り下げ
- 結末が伝えた「自由に生きる」という選択の意味を丁寧に紐解く
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